米グーグルのケヴィン・ゴーフ シニアプロダクトマーケティングマネージャー
米グーグルのケヴィン・ゴーフ シニアプロダクトマーケティングマネージャー
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2007年以降も、Google Appsにさまざまな機能が追加された
2007年以降も、Google Appsにさまざまな機能が追加された
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Google Appsはコスト面でのメリットも高いと主張
Google Appsはコスト面でのメリットも高いと主張
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 グーグルは2007年6月7日、同社の企業向けサービスについて記者会見し、米グーグルのケヴィン・ゴーフ シニアプロダクトマーケティングマネージャーが検索サーバー「Google検索アプライアンス」やWebアプリケーション群「Google Apps」について現状を説明した。

 同氏によると、Web上のサービスは個人向けが技術的に先行しているという。例えば、VoIPやストリーミングのコンテンツ配信の分野では、個人向けサービスが先行し、ユーザー間に浸透した。「企業向けサービスは技術面でも満足度でも劣っている」(同氏)。その大きな理由はシステムが複雑すぎることだという。

 企業でメールのシステムを運営するとなれば、クライアントOSのほか、メールサーバー、セキュリティサーバー、バックアップ用サーバーなどの管理が必要となる。セキュリティを守るためには、それぞれのシステムを定期的にアップデートしなくてはならない。「そのために軍隊のようなIT担当者が必要となる」という。運用コストも高くつく。

 個人向けで実践してきたグーグルのサービスを企業向けに提供することで、よりシンプルにできるという。例えば、企業内に検索サーバー「Google検索アプライアンス」を導入することで、Webサイトのみならず、企業内のPDFや「Word」のビジネス文書、人事などの経営資源情報まで検索することが可能となる。営業の担当者が製造部門の情報にアクセスしやすくなるといった効果が期待できるという。

 企業向けのWebアプリケーション群「Google Apps」についても、利用できるアプリケーションは「Gmail」「Googleカレンダー」「Googleトーク」と個人向けの既存サービスで使われているもの。2006年第3四半期にAppsを開始し、2007年には「Docs&Spreadsheets」を追加した。今後もブログ、ウィキ(Wiki)、動画配信の「YouTube」といった機能を加えていく可能性もあるという。2007年5月に発表したオフラインでWebアプリを使えるようにする「Google Gears」も「元々、企業向けを意識して開発した技術であり、ぜひGoogle Appsに反映していきたい」と意欲を見せた。