内部統制の支援ソフトを開発・販売する米OpenPagesのCEO(最高経営責任者)&PresidentであるMichael Duffy氏は6月6日,東京都内で記者会見を開き,日本市場での活動を本格化させることを明らかにした。

 OpenPagesの製品には,財務関連の統制全般を支援する「OpenPages FCM」,ITガバナンス・ソフトの「OpenPages ITG」,コンプライアンス管理ソフトの「OpenPages GCM」,それにリスク管理ソフトの「OpenPages ORM」がある。6月6日現在の顧客数は225社で,英Barclays Bank,英BP,スイスPhilip Morrisなどの大手企業が採用している。日本では,ソフトバンクがOpenPages FCMの採用を5月28日に発表している。

 製品の特徴は,評価範囲の決定から,文書化,運用状況のテスト,不備の是正,内部統制報告の作成まで,内部統制のサイクル全体を支援できること。その際,運用管理ツールやERP(統合業務パッケージ)などから,必要に応じてデータを取り込むことができる。文書管理では「業務フロー図」「RCM(リスク・コントロール・マトリックス」「業務記述書」の,いわゆる3点セットを一元管理し,プロセス,リスク,コントロールの関係性をグラフィカルに表示する。さらに,顧客企業に合わせて,組織の階層構造を手軽に設定できるほか,レポートや画面上のフィールド名/オブジェクト名をユーザー企業自身が簡単に設定できるという。

 OpenPages日本法人は2006年2月に設立済み。「(設立前の期間を含めると)この2年間,日本市場に参入するための準備を進めてきた」(Duffy氏)ため,各製品の日本語化と日本版SOX法(金融商品取引法)対応はすでに完了しているという。また,J-SOX法に加えて,米SOX法,英Turnbull,フランスLSF,カナダCSA52-313など世界各国の財務報告規定に対応しており,「日本に本社を置く多国籍企業のニーズを満たせることを証明していきたい」(同)としている。

 初期導入コストは,企業規模や導入モジュール数で異なるが,小規模な企業でおよそ15万ドルから。大規模な多国籍企業では数百万ドルになる。日本国内ではソリューション・パートナーとして,独立系システム・インテグレータのCACとの間で契約を結んでいる。