米Microsoftは開催中の「TechEd 2007」で,次期サーバーOS「Windows Server 2008」の新しいインストール形態「サーバーコア」としてWebサーバーのInternet Information Services(IIS) 7が選択可能になると発表した。IIS 7だけがインストールされ,他の不要なサービスを一切組み込まない構成のサーバーを構築できるようになる。

 「サーバーコア」は,サーバーOSとして必要最低限の機能だけをインストールしたもので,「GUIシェルの無いWindows Server」を構成する。ここにインストールできるサービスは,DHCPサービス,DNSサービス,ファイル/プリント・サーバー,仮想化機能(Windows Server Virtualization),ドメイン・コントローラ,ストリーミング・サーバーだけだったが,Windows Server 2008ではIIS 7が加わったわけだ。

 ただし注意事項がある。サーバーコアには.NET Frameworkはインストールできない。このため,サーバーコアで運用するIIS 7では「ASP.NETアプリケーション」が利用できない。サーバーコアのIIS 7マシンでは,静的なWebページや,PerlやPHPといった.NETベースではないWebアプリケーションだけが利用できる。

 なお,サーバーコアにはGUIが搭載されていないので,既存のIIS用GUI管理ツールは利用できない。また,サーバーコアでは.NET Frameworkが使えないので,.NETをベースにしたMicrosoftの新しいコマンドライン環境「PowerShell」も利用できない。これまでのコマンド・プロンプトをベースにしたコマンドライン環境を使って,サーバーを管理することになる。