写真●記者会見のようす<br>右から、マイクロソフト ビジネス&マーケティング担当の佐分利ユージン執行役常務、コンテンツ・サービスを提供するBBソフトサービスの瀧進太郎取締役COO、携帯電話機メーカーのHTC Nipponのジェニファー チャン代表取締役社長、マイクロソフトの梅田成二モバイル&エンベデッドデバイス本部長
写真●記者会見のようす<br>右から、マイクロソフト ビジネス&マーケティング担当の佐分利ユージン執行役常務、コンテンツ・サービスを提供するBBソフトサービスの瀧進太郎取締役COO、携帯電話機メーカーのHTC Nipponのジェニファー チャン代表取締役社長、マイクロソフトの梅田成二モバイル&エンベデッドデバイス本部長
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 マイクロソフトは6月6日、携帯電話向けOSの新版「Windows Mobile 6日本語版」の提供を、携帯電話機メーカー向けに開始した。Webブラウザの機能を向上したほか、セキュリティを強化するなど、旧OSでの課題点を改善。マイクロソフトは、「携帯電話機を小型のパソコンに変えたい」(梅田成二モバイル&エンベディッドデバイス本部長)としている。07年内の出荷目標は100万台。ソフトバンクモバイルとウィルコムが新OS搭載の携帯電話機の発売を決めているが、他社への販売も強化する。

 Windows Mobile 6日本語版で強化した機能は、「メッセージング機能」、「Web連携機能」、「セキュリティ機能」の3つだ。メッセージング機能では、主に電子メールを利用するための機能を強化した。例えば、HTMLメールをサポートし、メール本文中の画像表示などを可能にした。同社のサーバー製品と組み合わせて使うことで強化した機能もある。Exchange Serverと連携すれば、メールの転送を禁止するといった制御ができる。Exchange Serverを介して、社内のMicrosoft Office SharePoint Portal Serverに保存したファイルにアクセスできる機能も搭載した。メールに重い文書ファイルを添付して送信しなくても、メールの本文中にファイルへのリンクを設定しておくことで直接ファイルを開き、閲覧できる。

 Web連携機能では、Windows Liveサービスとの連携機能を強化。アドレス帳と連動して、他のユーザーがオンラインかどうかなどを確認できる。また、Webブラウザの機能を向上。JavaScript、Ajax、DHTML、XHTMLに対応した。

 セキュリティ機能では、情報漏洩の対策に注力した。例えば、メモリー・カードの暗号化。メモリー・カードの紛失によるデータの流出にも考慮した。また、Windows Serverと連携させれば、端末自体にデータを残さないシンクライアント端末としても使える。携帯電話機のパスワード有効期限などのポリシーを、Exchange Serverで一括して管理できる機能も備えた。

 マイクロソフトは今後、Windows Mobile 6日本語版を搭載した携帯電話ならではのビジネスでの活用法を提案し、法人市場の拡大を狙う。Exchange ServerやMicrosoft Office SharePoint Portal Serverといったサーバー製品と組み合わせたシステムなどを提案する。同社はサーバーと携帯電話機をセットにして、導入テスト用に貸し出すといった支援策も用意する方針だ。具体的に導入を検討している企業に対しては、マイクロソフトが試験的にシステムを構築し、導入期間の短縮を促すという。