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 アッカ・ネットワークスは6日、元日本IBM顧問の木村正治氏を社長に迎えると発表した。8月の臨時株主総会を経て正式に就任する予定。アッカは木村氏の下で、法人向け事業のテコ入れを図る。また坂田好男現社長は取締役にとどまり、同社が事業化を目指す新無線サービス「WiMAX」を引き続き担当する。

 会見に臨んだ木村氏は、ADSL(非対称デジタル加入者線)事業の見通しについて「大きな成長は望めないが、法人向けを強化することで、なんとか水準は維持できる」と語り、法人需要の開拓で事業基盤を守る考え方を示した(写真)。

 特に、今後は中堅企業の開拓に注力するという。「(筆頭株主の)NTTコミュニケーションズなどが開拓してきた大企業は(光ファイバーなどによる)固定電話などと組み合わせたソリューションに移行している。一方で、監視カメラやビルの保守、商店のクレジットカード決済など、レガシー回線をADSLに置き換える需要はまだある」(木村氏)。こうした需要を開拓する販売パートナーの支援策は引き続き強化し、「特に主要パートナーには営業担当を付けるなど、営業体制を強化する」(木村氏)という。

 今回の会見では、アッカに19.7%を出資するNTTコミュニケーションズによる株式の異動も発表された。持ち株の5%を、投資ファンドのイグナイト・グループが新生銀行を主要投資家にして設立したファンド「イグナイトBB投資事業有限責任組合」に譲渡する。NTTとの資本関係を薄め、新体制の下でWiMAX事業への参入を目指す。

 WiMAX事業に関しては今後も多様な事業パートナーを募る予定で、「免許取得に向けて、さまざまな可能性を探っているところ」(木村氏)。今月末にも、事業企画会社を立ち上げる予定という。