監視カメラシステム用のPLC機器。監視カメラ(右)とセットトップボックスで構成
監視カメラシステム用のPLC機器。監視カメラ(右)とセットトップボックスで構成
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PE882-VOの背面。電力線からデータを入力し、映像端子へ出力する
PE882-VOの背面。電力線からデータを入力し、映像端子へ出力する
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 ネットワーク機器メーカーの台湾ギガファストは、データ伝送に電力線通信(PLC)を用いる監視カメラシステムを、台湾・台北市で開催中の「COMPUTEX TAIPEI 2007」に出品している。既にサンプル出荷を始めているという。

 監視カメラシステムは、映像を撮影し符号化するPLCアダプター付き監視カメラ「PE871-CS」と、復号化して映像信号を出力するPLCアダプター付きセットトップボックス「PE882-VO」から成る。PE871-CSは、(1)撮影した映像をJPEG画像として符号化する、(2)JPEG画像をIPパケットとして電力線に送り出す、という2種類の機能を備える。PE882-VOは、(1)電力線から流れてきたIPパケットを映像信号として復号化する、(2)背面の映像出力端子から映像を出力しテレビなどに表示させる、という機能を持つ。

 PE871-CSを任意の部屋に設置し、離れた部屋にPE882-VOと映像表示用のテレビなどを設置することで、初期設定の手間なく簡単に遠隔監視システムを構築できるとしている。また、PE871-CSはWebサーバー機能も備えており、PLC経由でつながっているパソコンのWebブラウザーから映像を閲覧することも可能。PLC部の伝送方式はHomePlug 1.0を採用しており、最大データ転送速度は14Mbps。電力線を流れるデータは鍵長56ビットのDESで暗号化される。映像の解像度は640×480ドット。毎秒10フレーム単位で送信する。

 同社はHomePlug方式のPLC機器のOEM販売に注力している。監視カメラシステムのほか、HomePlugの新規格であるHomePlug AVに準拠し、最大データ転送速度が200Mbpsと速いPLCアダプターを展示している。また、PLCとIEEE 802.11g準拠の無線LANの変換アダプター、同軸ケーブルモデム一体型のPLCアダプターなども開発している。自社ブランドでの販売はせず、他の通信機器メーカーへのOEM供給を進めていくという。日本市場に向けた商品供給については、「日本で定められているPLCの帯域制限などについて、どのように対処するかを現在検討している」(説明員)という。