写真●「3CX Phone System」の回線管理画面
写真●「3CX Phone System」の回線管理画面
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 キプロスのIP-PBXソフトウエア・ベンダーである3CXは,日本向けのビジネスを強化する意向を明らかにした。同社は5月に日本オフィスを開設(5月22日に発表)。同社は製品の直接の販売・サポートを行わず,それらをディストリビューション・パートナに任せる方針で,日本のパートナをサポートすることがオフィス開設の主な目的である。パートナは現在模索中だ。

 同社は日本語サイトを開設済み。製品も,8月までに日本語ユーザー・インタフェースを提供する予定だという。また日本のパートナと協力して,日本のIP電話サービスへの対応も進めていく意向だ。本社のニック・ガリアCEO(最高経営責任者)は,「我々は日本市場に注力しており,よいパートナを得ることを希望している」と話す。同社は電話機が500台程度までのSMB(small and medium business)層をターゲットにしているが,海外では,より大規模な導入事例もあるという。

 3CXのIP-PBXソフト「3CX Phone System」はWindowsで動作し,同社のサイトからダウンロード可能な無償版(Free Edition)と商用版がある(写真)。商用版と無償版では,技術サポートの有無や搭載機能で差がある。「2005年に設立した新しい会社なので,商用版を購入している顧客はまだ多くないが,無償版は5000近い組織が使っているようだ」(ガリアCEO)。商用版は搭載機能や外線接続数などが違うSmall Business Edition,Professional Edition,Enterprise Editionに分かれる。3CXは,無償版,商用版ともWindows 2000/同XP/同2003 Server/同Vistaで動くとしている。

 ガリアCEOは,「Linuxで動作するIP-PBXはあるが,Windows上で動くIP-PBXで重要な役割を果たしているものはない」とWindows用を開発した理由を説明。「多くの企業はWindowsに慣れているので,この製品を好んで使ってくれると思う。Exchange ServerやActive Directoryとの親和性が高いことも特徴だ。またWindowsと3CX Phone Systemは,LinuxとAsteriskよりも覚えやすいのではないか」と,ユーザーにとっての親しみやすさを強調した。またアプライアンスとは異なり,特定のハードウエアに依存しないことも利点だとした。

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