東芝PC&ネットワーク社の能仲久嗣社長(右)と真田勉統括技師長(中)
東芝PC&ネットワーク社の能仲久嗣社長(右)と真田勉統括技師長(中)
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今回発表された「dynabook SS RX1」
今回発表された「dynabook SS RX1」
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左が従来機のシステム基板で、右がdynabook SS RX1のもの。ずいぶんと小さくなった
左が従来機のシステム基板で、右がdynabook SS RX1のもの。ずいぶんと小さくなった
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 東芝は2007年6月5日、モバイルノートパソコンの新製品「dynabook SS RX1」を発表した。ハードディスクの代わりに64GBのフラッシュメモリーを搭載し、重量は848gに抑えた機種など3機種をそろえる。6月22日から順次販売する。

 dynabook SS RX1は軽量、薄型、長時間駆動を追求したシリーズだ。12.1型横長液晶ディスプレイとスーパーマルチドライブを搭載、OSはWindows Vista Businessをプリインストールする。その上で、厚みは最薄部で19.5mm、最も厚い部分で25.5mmに抑えた。

 シリーズのうち最上位機種にあたる「dynabook SS RX1/T9A」は、ハードディスクの代わりに64GBのフラッシュメモリーを採用することで、高速起動、軽量化、省電力を実現した。本体には、標準バッテリーと大容量バッテリーの2種類のバッテリーを付属し、重さや駆動時間によって使い分けられる。標準バッテリーを装着した場合は駆動時間が約6.2時間で重量が848g。大容量バッテリーを装着すると駆動時間が約12.5時間で重量が968gとなる。想定実売価格は38万円前後の見込み。

 「dynabook RX1/T7A」は、価格と性能のバランスが取れた標準的な機種。80GBのハードディスク、約11時間駆動するバッテリーを搭載し、重量は1090gとなる。実売価格は25万円前後の見込み。

 最も価格が安い「dynabook RX1/S7A」は、光学ドライブを搭載しないことで軽量化を図った機種。80GBのハードディスク、約11時間駆動するバッテリーを搭載し、重量は約1010gとRX1/T7Aよりも80g軽い。想定実売価格は約22万5000円の見込み。


あらゆるパーツをグラム単位で小型、軽量化


 今回発表したdynabook SS RXシリーズについて、東芝PC&ネットワーク社の能仲久嗣社長は、「あらゆるパーツをグラム単位で小型化、軽量化することで、性能を落とさずに、薄く、軽くした」と説明した。例えば、スーパーマルチドライブは厚さ7mmのものを新たに開発。システム基板は従来機よりも35%小さくした。このほか、きょう体のマグネシウム製フレームを薄くしたり、ヒンジ部分の構造を見直したりすることで、全体的に小型化、軽量化を図っている。

 また、屋外や外出先での利用を想定し、視認性や堅牢性にも配慮したという。ディスプレイは直射日光の下でも見やすい半透過型液晶を採用。本体に液晶のバックライトのオン/オフを切り替えるボタンを装備し、周囲の明るさやバッテリー残量などに合わせてオン/オフを使い分けられるようにした。

 堅牢性については、75cmの高さからの落下テスト、水やコーヒー、コーラをキーボードにかけての浸水テストなどを実施している。落下テストでは、パソコンを落とした直後に電源を入れて正常に動作するかを確認。浸水テストでは、浸水後、3分間以上動くかどうか検証した。東芝PC&ネットワーク社の真田勉統括技師長は「このテストは落下や浸水しても故障しないと保証するものではない。点検や修理は必要」と前置きした上で、「落下や浸水の後、ハードディスクに作業中のデータを保存する時間さえあれば、実害を抑えられる」と話した。

・東芝の発表資料
・「dynabook SS RX1」の製品ページ