ベトナムのITベンダーであるランシステムは6月、国内ベンダーのアイ・アールと合弁で設立した新会社「東京ランシステム」の営業を開始した。日本のユーザー企業からシステム開発を請け負い、ベトナムの開発拠点でプログラミングをこなす「オフショア開発」の受注拡大を目指す。東京ランシステムは当初10人体制でスタートする。

 ランシステムは、ゴ・バン・タウ代表取締役(30)が05年にベトナム・ハノイに設立した新興IT企業。タウ氏は日本の大学への留学を契機に、派遣プログラマとして働くなど9年近く日本に滞在した経験がある。日本で学んだIT関連の技術力と日本語力を生かし、日本企業向けのオフショア開発を手がける会社としてランシステムを発足させた。

 ランシステムがこれまでに手がけた案件は、ネット企業のECサイトや携帯電話向けWebサイトの構築、ゴルフ場の予約システムなど。2006年度の売上高は4000万円。同社は事業拡大に伴い日本法人の設立を検討していたが、最終的にベトナム企業の日本進出支援などを得意とするアイ・アールとの共同出資で日本法人を新設することに合意。2007年4月19日に東京ランシステムを設立した。東京ランシステムの資本金は1000万円で、出資比率はアイ・アールが600万円。ランシステムが400万円。