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 オリックスとインターネット総合研究所(IRI)は6月4日、株式交換による経営統合で基本合意に達したと発表した。IRI1株にオリックス0.667株を割り当て、オリックスがIRIを完全子会社化する。株式交換の効力発生日は11月の予定。

 オリックスの藤木保彦取締役兼代表執行役社長・グループCOOは「世界中の金融機関がITを活用したサービスを打ち出しており、そのスピードは加速する一方だ。当社も過去2年間、“何か手を打たなければ”と模索してきた」と経営統合に至る発端を説明。協業先のIT企業を探す中、NTTグループやソフトバンクグループなどの通信事業者や通信機器メーカーにネットワーク技術支援を行ってきたIRIに着目。今年1月から藤原洋・IRI代表取締役所長(写真左)と交渉を始めていた。

 ただIRI子会社のアイ・エックス・アイ(IXI)の経営破たんをきっかけに5月23日、東京証券取引所がIRIのマザーズ上場廃止を決定。これを受け、経営統合に向けた交渉が一気に具体化した。

 IRIは、オリックスが持つ財務基盤や顧客基盤を背景に経営の安定化を図る。オリックスは「IRIのモバイル通信やブロードバンドなどネットワーク分野の技術力を生かし、顧客に向けた新たな金融ソリューションの提供を目指す」(藤木社長)という。