PDAおよびスマートフォンのパイオニアである米Palmは5月最終週,カリフォルニア州カールズバッドで開催されたカンファレンスD:All Things Digitalにおいて,最新型デバイスとして小型ラップトップ・パソコンと似た形の携帯用コンピュータ「Foleo」を発表した。Palmが“スマートフォン・コンパニオン”と呼ぶFoleoは,同社にとって終焉の始まりなのか,それとも全面的な好転の瞬間なのだろうか(関連記事:Palm,スマートフォンと連携するモバイル・コンパニオン「Foleo」を発表)。

 Palm創設者のJeff Hawkins氏は「スマートフォンが地球上で最も普及するパーソナル・コンピュータになり,最終的にデスクトップ・パソコンで実行可能な処理はすべて行えるようになる」と述べる。「ただし,大きな画面とフルサイズのキーボードが必要な場面はよくある。スマートフォンが小さくなるほど,必要な場面も増える。Foleoはこうした不足を補い,簡潔さにおける新たな基準となるモバイル・コンピューティング・システムを実現する」(Hawkins氏)。

 Foleoの重さはわずか2.5ポンド(約1134g)で,小さなラップトップ・パソコンとよく似ている。クラムシェル型のきょう体を採用し,フルサイズのキーボードと10インチ・ディスプレイを備え,Wi-FiおよびBluetoothによる通信が行える。待たずに電源のオン/オフが可能で,バッテリで5時間駆動する。普通のラップトップ・パソコンとFoleoとの相違は,機能の違いにある。

 Foleoは,Palm OSやWindows Mobileベースのスマートフォンと無線接続し,スマートフォンの小さな画面だと困るような状況で,組み合わせて使うことを想定している。随時スマートフォンと同期可能なメール・アプリケーション,Microsoft Officeと互換性のあるワープロ/表計算ソフトウエア/プレゼンテーション・ソフトウエア,PDFビューア,Webブラウザ,写真表示ツールを搭載する。

 さらにFoleoは比較的安価でもある。2007年夏に米国で初登場するモデルの価格は,100ドルの郵送クーポン割引を適用すると,500ドルを切る。確かにこの価格帯でも普通のラップトップ・パソコンは存在するが,そのようなパソコンはFoleoよりもずっと大きくて重く,バッテリ駆動時間も短い。

 もちろん「このようなソリューションをほしがる,または必要とするユーザーはいるのだろうか」という点が疑問だ。実際,Dカンファレンスでも,最も好意的な反応が“無反応”だった。ところがPalmは,「何億人もの人々にとって,スマートフォンは急速に中心的なコンピューティング・デバイスとなってきており,大きな画面を備え,既存のソリューションと無理なく統合可能なシステムが必要な機会がときおりある」としている。

■変更履歴
公開当初,記事タイトルを「Palmのスマートフォン『Foleo』…」としていましたが,「“スマートフォン・コンパニオン”『Foleo』…」に訂正し,お詫びいたします。 [2007/06/05 11:10]