写真●WiMAXフォーラムのロン・レズニック代表兼会長
写真●WiMAXフォーラムのロン・レズニック代表兼会長
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 インテルは6月1日,WiMAXの説明会を開催し,WiMAXフォーラムのロン・レズニック代表兼会長がメリットや動向を説明した(写真)。

 レズニック代表は,WiMAXについて「約440社が加盟するWiMAXフォーラムで開発した世界標準のインターネット技術で,OFDMA(orthogonal frequency division multiplexing access)により高い収容能力と優れたスループットを低コストで実現できる。いつでもどこでも高速にインターネットに接続できる次世代無線ブロードバンドの鍵を握る技術」とメリットを強調。また「1550件あるWiMAX関連の特許は約330社が分散所有している。知的財産権を独占する企業はなく,特定の企業の発言力が高くなる心配はない」(レズニック代表)とした。

 WiMAXの適用範囲としては,第3世代携帯電話の補完,ADSLとバンドルしたフル・パッケージのブロードバンド・サービス,デジタルデバイドの解消を挙げる。「第3世代携帯電話と競合するものではなく,補完する技術の一つ」(レズニック代表)。製品化も進んでおり,「2007年5月にフランスで開催したプラグフェスタ(各ベンダーが機器を持ち寄って接続性を検証するイベント)では65製品をテストした。モバイルWiMAX対応製品の認証を近いうちに開始する予定で,2007年半ばにはWiMAXフォーラムの認証製品が登場する」(同)と述べた。

 またレズニック代表は,総務省が5月15日に公表した2.5GHz帯の免許方針案(関連記事)について,「第3世代携帯電話事業者は対象外となったが,彼らが出資して他のプレーヤーが新規に参入できる。モバイル・インターネットを促進する上で非常に良い意思決定と考えている」と評価した。

日本の通信事業者に対する出資は未定

 米インテルは,米クリアワイヤーに6億ドルを出資(米インテルのリリース)するなどWiMAXを採用する事業者や組織への投資実績がある。ただし日本の事業者に対する出資については,インテル日本法人の吉田和正・代表取締役共同社長は「まだ決まっていない。これから検討する」とのみコメントした。