Free Software Foundation(FSF)は米国時間5月31日,ソフトウエア・ライセンスGeneral Public License(GPL)の新版「GPL version 3(v3)」の草案第4版を公開した。FSFが同日明らかにしたもの。草案第4版は,最終的な草案(ラスト・コール)に相当する。草案第4版はFSFのWebサイトから入手できる。

 2007年3月に公開された草案第3版(関連記事)からの主な変更点は以下の通り。

・(草案第3版が公開された)3月28日以降に差別的な特許契約条件を結んだディストリビュータは,GPLv3にもとづくソフトウエア配布を行えない可能性がある。ただし,米Novellと米Microsoftの特許保護契約はMicrosoftをフリー・ソフトウエア・コミュニティの利益に反する立場としないため,Novellは配布禁止の対象にならない

・オープンソース・ライセンスApache 2.0互換とした

・ソフトウエアの個人的改変やデータセンターでの利用に関する条件を明確化するために,新たな項目を追加した。

・米国の消費者保護規則に関する部分を明快な基準に変更し,米国以外での適用を分かりやすくした

 草案第4版を公開するにあたり,FSF会長のRichard Stallman氏は以下のように述べている。

 「プログラムにGPLv2を適用し続けても,問題は発生しない。ただしGPLv3に移行すれば,tivoization(TiVo化),デジタル著作権管理(DRM),ソフトウエア特許による脅威といった既存の問題を解消できる」。

 FSFは,草案第4版に対するコメントを29日間受け付ける。その後,6月29日に正式版を発行し,ライセンス適用を開始する予定。

 なお,FSFがGPLv3の草案第1版を2006年1月に公開して以来,Linuxの生みの親であるLinus Torvalds氏が内容を批判しているほか(関連記事その1その2),Linuxカーネル・プログラマの多くも批判的な立場をとっている(関連記事)。こうした状況に対し,Stallman氏はオープンソース・ソフトウエアとフリー・ソフトウエアの相違などを挙げ,目的が異なると述べた(関連記事)。

[発表資料へ]