Open Invention Network CEO Jerry Rosenthal氏
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米Google Open Source Engineer Greg Stein氏
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The Linux Foundation Exective Director Jim Zemlin氏
The Linux Foundation Exective Director Jim Zemlin氏
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 「Microsoftが,Linuxに侵害されたという特許を具体的に示さないのはなぜか。実際には存在しないから、有効ではないから,あるいは簡単に回避できる特許だからではないか」---Linux特許管理会社Open Invention Network(OIN) CEO Jerry Rosenthal氏は5月30日,LinuxWorld Expo/Tokyo 2007の講演でこう指摘した。米Fortune誌に掲載された,Microsoftの顧問弁護士兼Senior Vice PresidentであるBrad Smith氏らによるLinuxなどのオープンソース・ソフトウエアがMicrosoftの特許235件を侵害しているという主張に対しコメントした。

 Rosenthal氏は,すでに「Linuxが特許侵害というMicrosoftの主張はFUD(Fear, Uncertainty and Doubt,不確かな根拠に基づく脅し)であるとのコメントを発表している(関連記事)。

 OINは,米IBMやNECなどが出資する,Linuxを保護することを目的として設立された特許管理会社。100件以上のソフトウエア特許を購入しており,オープンソース・ソフトウエアに対し自社がすでに持っている特許を行使しないと同意した企業に対し,それらの特許を無償で供与している(関連記事)。

 これまでにオープンソース・ソフトウエアに対し自社がすでに持っている特許を行使しないことに合意し特許の供与を受けたのは,米IBM,米Red Hat,Novell,ソニー,蘭フィリップス,NECなどOINへの出資企業のほか,米Oracleなど。「2007年末には100社以上に供与する。来年には1000社を超えると見込んでいる」(Rosenthal氏)という。

 また同日講演した米Google エンジニアリング部ウーバー テック リードでApache Foundationの議長も務めるGreg Stein氏は,記者の質問に対し「Linuxが侵害したという特許を具体的に示されるまで,取り合う必要はないし,何もする必要はない」とコメントした。

 またThe Linux Foundation Exective DirectorのJim Zemlin氏は同日記者会見で,「(LinuxがMicrosoftの特許を侵害しているという同社の主張は)誰も気にかけていないし,気にすべきではない。この分野ではMicrosoftが持っている特許は実は少ない。他の組織のほうが多くの特許を持っている」と指摘した(関連記事「特許制度改善のためにMicrosoftと協力したい。利害は一致する」---Linux Foundation Exective Director)。