米Novellは米国時間5月30日に,2007会計年度第2四半期(2007年2~4月)の決算を発表した。売上高は2億3900万ドルで前年同期の2億3300万ドルを上回ったが,2200万ドルの純損失(1株あたり損失は0.01ドル)を計上した。前年同期は純利益3300万ドル(1株あたり利益は0.01ドル)だった。

 事業別でみると,Linux Platform Products部門の売上高は1900万ドルで前年同期比83%の急増。Identity and Access Management部門は2300万ドルで同5%増加した。ただし,Systems and Resource Management部門は3200万ドルで同4%減,Workgroup部門は8400万ドルで同4%減少した。

 同社社長兼CEO(最高経営責任者)のRon Hovsepian氏は,「当期の全体的な業績に満足している。Linux事業は引き続き堅調で,ID管理事業は改善した。Workgroup部門も従来予測を上回った。加えて,コスト管理の取り組みも効果を現している」としている。

 また同社は2007会計年度通期の見通しを下方修正した。3月1日時点で9億4500万~9億7500万ドルとしてた売上高予測(関連記事)を,9億2500万ドル~9億5500万ドルの範囲に引き下げる。

 ちなみに同社は,遅れていた2006会計年度第3四半期(2006年5~7月)と2007会計年度第1四半期(2006年11月~2007年1月)の四半期報告書(10-Q),および2006会計年度通期(2005年11月~2006年10月)の年次報告書(10-K)を5月25日に米証券取引所(SEC)へ提出した。Novellは10-K書類の中で,ソフトウエア・ライセンスGeneral Public License(GPL)の新版「GPL Version 3(v3)」が同社と米Microsoftの提携に影響を与える可能性があるとの懸念を示している。

 Free Software Foundation(FSF)は3月にGPLv3の草案第3版を公開した(関連記事)。Novellによると,この第3版には「当社とMicrosoftの提携の少なくとも1部を無効にしかねない条項が盛り込まれている」という。「GPLv3最終版に,両社の提携や両社によるGPLv3コードの配布を妨げる条件が含まれている場合,MicrosoftはSUSE Linuxのクーポン配布を中止するかもしれない」(Novell)。

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