写真●ベリングポイントの新井 聡マネージング ディレクター
写真●ベリングポイントの新井 聡マネージング ディレクター
[画像のクリックで拡大表示]

 ベリングポイントは,日本企業の海外拠点における日本版SOX法(J-SOX)対応を支援する「グローバル内部統制改革支援サービス」を,5月29日に開始した。連結ベースで財務報告に影響を及ぼす可能性がある海外の生産拠点や販売拠点において,文書化作業や整備状況の評価作業などを支援する。

 「J-SOX対応に向けた方針を策定した大手企業は,文書化作業や内部統制の評価・改善活動を,海外拠点にどう展開するかで悩んでいる」と,新井 聡 マネージング ディレクターは指摘する(写真)。商習慣や言語などが異なり,J-SOX対応に割ける人材が限られる中で,文書化や評価のレベルを均質にするのは難しい。また,海外拠点のスタッフがJ-SOXと米SOX法(企業改革法)の違いを理解する必要性もあるため,ハードルが高いという。新サービスは,こうした企業の課題の解決を支援するものだ。

 もちろん,海外拠点を持つからといって,すべてを評価対象に加えなければならないわけではない。監査法人と協議の上,財務報告に大きな影響を与えないと判断した拠点では,J-SOX法対応作業は必要ない。新井氏は「当社が日本でJ-SOX対応を支援した約70社のうち,海外拠点でも対応が必要と考えているのは10社程度」と明かす。

 ベリングポイントは新サービスを投入するのにあたり,米国30人,アジア地域30人,欧州30人の専門家を確保し,海外拠点で直接,文書化作業や内部統制プロジェクトの管理を支援する。英語,中国語,ドイツ語,フランス語,スペイン語などに堪能な担当者を揃えた。「現地の状況を取りまとめるには現地の言語を使用する必要がある。一方,日本の本社との連携や,日本でのノウハウを活かすためには日本語の理解が不可欠だ」(新井氏)。

 料金(1拠点での文書化作業の目安)は1000万円から。ベリングポイントは,1年間で30社にサービスを提供し,24億円の売上を目指す。