欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)がサイバー犯罪撲滅に向けた取り組みを強化する。「国境をまたぐ犯罪が増えており,国家間の協力と協調が不可欠」(EC)。ECがベルギーで現地時間5月22日に明らかにした。

 サイバー犯罪には,従来からある詐欺や偽造行為に加え,電子メディアを使った違法コンテンツの公開,DoS(denial-of-service)攻撃やハッキングといったインターネット特有のものがあり,その手口も絶えず変化している。

 このためECはまず,(1)EU内におけるサイバー犯罪対策機関と関連当局の連携,(2)サイバー犯罪撲滅に向けたEU全体における一貫性のある方針策定,(3)サイバー犯罪に対する認識の向上,に取り組む。次のステップとして,民間および公共セクターが参加する具体的な方策を実施する予定。

 ECで司法/自由/安全保障分野の副委員長を務めるFranco Frattini氏は,「ECで,EU全体を対象とした方針を策定し,法の執行機関の連携,EU加盟国の政策協力,サイバー犯罪に対する啓もう活動,研修やリサーチなどを推進したい」と述べている。

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