写真1●韓国KT 携帯インターネット事業本部の金上泳(キム・サンヨン)商品開発部長
写真1●韓国KT 携帯インターネット事業本部の金上泳(キム・サンヨン)商品開発部長
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写真2●WiBro対応スマートフォンの説明
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写真3●WiBro対応モバイル・パソコンの説明
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 「WiBro(ワイブロ)の基地局はすでにソウル全域,地下鉄(1~8号線),仁川空港など首都圏の主要地域に設置しており,約1200万人の人口をカバーできるまで拡大した」(韓国KT 携帯インターネット事業本部の金上泳(キム・サンヨン)商品開発部長,写真1)。1200万人は,全人口の約4分の1にあたる。基地局の投資コストは約5000億ウォン(650億円,1ウォン=0.13円で計算)に上るという。

 韓国情報通信国際協力振興院の東京IT支援センターが5月28日に「韓国のMobile WiMAXの現状と展望」と題するセミナーを開催。そのなかで,韓国KTが2006年6月に世界で初めて開始したモバイルWiMAXの商用サービスであるWiBroの現状について講演した。

 端末は,スマートフォン(写真2)をはじめ,モバイル・パソコン(写真3),USB型などがある。スマートフォンは,WiBroと第3世代携帯電話,地上デジタル放送(DMB)の機能を統合した端末も提供している。ユーザー層は,おもに25~35歳の会社員や新しい物が好きな大学生を想定しているという。

 韓国では携帯電話を利用したHSDPA(high speed downlink packet access)のサービスも提供されている。このHSDPAに比べてWiBroは,高速な通信を安価に利用できるというメリットがある。1ユーザー当たりの通信速度は,WiBroが下り最大4Mビット/秒,上り最大2.1Mビット/秒に対し,HSDPAは下り最大1.5Mビット/秒,上り最大0.34Mビット/秒程度である。

 KTはWiBroのユーザーを増やすため,2007年末までプロモーション料金を設定している。月額料金は,データ通信量が1Gバイトまでの場合で1万ウォン(1399円,1ウォン=0.13円で計算),無制限で1万9800ウォン(同2574円)。これに対してHSDPAはデータ通信量が1Gバイトまでで約3万ウォン(同4197円)である。なお,プロモーション期間の終了後の月額料金は,データ通信量が500Mバイトまでで1万ウォン(同1399円),2Gバイトまでで2万ウォン(同2798円),4Gバイトまでで3万ウォン(同4197円),6Gバイトまでで4万ウォ(同5596円)になる。

 サービス面でもHSPDAとの差異化を図っている。具体例としては,複数のWebメールを統合して閲覧する機能,ユーザー同士で文書や映像を共有しながら対話する機能,出先から会社や自宅のパソコンを遠隔操作する機能などを挙げた。