全世界で公開されているウィジェットガジェットの総数が2007年5月22日現在で、1万2000個を超えることが明らかになった。2007年5月25日に行われた野村総合研究所主催のITロードマップセミナーSpring2007の講演内で発表された。ウィジェット・ガジェットはパソコンのデスクトップや、カスタマイズ可能なWebページ上に配置できる小さなアプリケーションの名称。時計、電卓、RSSリーダー、交通機関乗り換え案内、地図などさまざまな機能を持ったものが提供されている。提供元によって呼称がウィジェット、ガジェットと異なるが、仕組みや用途は同じものだ。

 現在、日本でウィジェット・ガジェット用の動作環境を提供している大手は、グーグル、マイクロソフト、ヤフー、アップルの4社。今回の調査はアップルを除く3社を対象とした。3社が提供するウィジェット・ガジェットの総数は1万2144個。

 ヤフーは「Yahoo!ウィジェット」という名称で、パソコンのデスクトップ用に提供している。ウィジェットを動作させるために独自のエンジンを別途インストールする必要がある。公開中のウィジェット数は4132個(うち日本語のものは146個)。

 グーグルは同社のWebページカスタマイズサービス「iGoogle」(旧Googleパーソナライズドホームページ)用に6107個、デスクトップ用に304個を提供中(日本語対応の内訳は不明)。

 マイクロソフトが提供するガジェットは、Windows Vistaの「Windowsサイドバー」向けと、同社のポータルサービス「Windows Live」、ブログサービス「Windows Liveスペース」向けのものに分かれる。デスクトップ用ガジェット(サイドバーガジェット)は885個(同51個)。ブラウザー上で動作する「Webガジェット」は716(同56個)を提供している。

 提供数という点では、デスクトップ向けでヤフー、ブラウザー上ではグーグルが、それぞれ他を大きく引き離した。ウィジェット・ガジェットはいずれも、提供元が作成したものだけでなく、ユーザーが自分で作成し、他ユーザーも利用できるように提供元のサイトへ登録できる。その意味で、提供数はユーザーの参加がどれだけ得られているかのバロメーターと考えることもできる。

 マイクロソフトは、現在、他2社の後塵を拝している格好だが、今回、調査を行った野村総合研究所の技術調査部主任研究員の城田真琴氏は講演中で「(動作環境を最初から実装する)Vistaの普及がこれらのアプリケーション普及のカギを握る」と解説している。

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