発展途上国の子供1人ひとりに価格100ドルのLinuxノート・パソコンの提供を目指す取り組みを進める非営利団体One Laptop per Child(OLPC)は米国時間5月24日に,教育向けゲーム開発イベントについて発表した。6月8日~10日にマサチューセッツ州のオーリン大学で「Game Jam」を開催する。

 全米からゲーム開発者,教育関係者,ミュージシャン,アーティスト,作家などが集まり,共同でオープンソースの教育向けゲームを作成する。開発したゲームはオープンなライセンスのもとで公開し,ゲーム開発者向け会議「Game Developer's Conference(GDC)」のワークショップ「Experimental Gameplay Workshop」で紹介する。優勝ゲームの開発チームには,OLPCプロジェクトによるノート・パソコン「XO」と2008年GDCのフリー・パスが授与される。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,OLPCは4月後半の時点で250万台の注文を受けているが,5月30日までに,量産に見合う受注数量300万台を目指している。利用可能なXO向けアプリケーションを拡大することで,発展途上国の政府に同パソコンの導入促進をアピールしたい考え。

 しかしOLPCのプロジェクトは順調に進行しているとは言い難い。XOの価格は現時点で175ドルに設定されている。一方で,米Intelが発展途上国での利用を想定した教育用ノート・パソコン「Classmate PC」を開発した。OLPCの創設者兼リーダーであるNicholas Negroponte氏は5月20日に米CBSのテレビ番組で,IntelがXOの機能を疑問視する宣伝を行ったり,Classmate PCを貧困国に配給していることを指摘し,「IntelがOLPCプロジェクトに甚大な損害を与えている。Intelの“恥知らずな”ビジネス手法がなければ,価格が100ドルのノート・パソコンを300万台受注できる」と述べたという(関連記事)。

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