全日本空輸が5月27日、国内線システムで発生させた大規模障害で、システムとあわせてネットワーク機器にトラブルが起こっていたことが分かった(関連記事1)。同システムは、予約・搭乗手続きや手荷物管理をするもの。

 全日空によると前日26日の朝、このチェックイン・システムの本番系のネットワーク機器が障害の兆候を示し始めたという。一方、システムは27日未明から処理能力の低下が深刻となった。

 このため、27日午前9時30分、ネットワークをバックアップ系に切り替え。その後、機器をメンテナンスし、午後2時30分に再度ネットワークを本番系に切り替えた。

 一方のシステムは午前11時、24日までに更新した「接続系システム」のハードウエアとソフトウエアとも旧システムに切り戻し。午後0時30分、アプリケーションの稼働するメインフレームに滞留していたデータを除去。午後3時頃からシステムが通常の状態に戻った。

 接続系システムは、約1万台の搭乗系端末とメインフレームの中間にあるもの。また、新たにトラブルが判明したネットワーク機器は、センター側と搭乗系端末を結ぶものだった。

 トラブルはなぜメインフレームにデータが滞留したのかが、焦点となっている。接続系システムとネットワーク機器、それぞれの障害の因果関係については「調査中。現在のところ見極められていない」(広報室)。なお、障害を起こした接続系システムの再度の刷新については「現段階では未定」(同)としている。

 障害の影響は28日も続く。1便が欠航し、9便が遅延しているという。28日午後から通常運航に戻る見通しだ。27日は130便が欠航し、306便が遅延(関連記事2)。合計で7万9300人の足に影響が出た。