NTT東日本とNTT西日本は5月24日、昨日午前にIP電話サービス「ひかり電話」が両社の間で不通になったトラブルについて詳細を発表した。問題を起こしたのは、両社のひかり電話網をつなぐ中継網内の呼制御サーバー。入札によって、NTT東子会社のNTT-MEが提供している。

 NTT-MEは5月21日深夜から22日早朝にかけて、呼制御サーバーのハードディスクを予防的な保全作業で交換。この際に作業員が入力したコマンドに誤りがあり、ハードディスク内の一部データが損壊した。そして23日午前6時25分、損壊したデータが呼制御サーバーのメモリに読み出されダウンしてしまった。

 問題となった呼制御サーバーには、待機系のサーバーとハードディスクも用意されていた。ただ、待機系に切り替わるのはサーバーのハードウエア故障の場合で、今回のようなソフトウエアに起因するものはそれ以外のケースとなる。手動で待機系に切り替えることも可能だが、その措置はとらなかった。最終的には、ハードディスク内のソフトウエアを再インストールすることで、同日午前10時過ぎに回復した。

 NTT東日本は「障害の分析を基に、コマンドの打ち間違いの防止やバックアップの対策を打っていく」(広報室)と説明する。今回、東西NTT合計で約318万回線のひかり電話が影響を受けた。