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 ログ管理ツール大手の米ログロジックが、日本でログ管理製品を本格展開する。同社は5月24日、日本語に対応したログ管理アプライアンスの新版「LogLogic 4i」を6月にリリースすると発表した。来日した同社チーフ・マーケティング・オフィサー、アンディ・ラーク氏(写真)に、企業におけるログ管理の現状や、ログロジックの事業戦略について聞いた。

――発売するログ管理アプライアンスの強化点は。
 今回初めて、2バイトの言語に対応し、日本語のログを管理できるようにした。設定画面などもすべて日本語化した。もちろん、従来、英語版製品で実現していた機能、使い勝手の良さも踏襲している。基本機能としてネットワーク機器やシステム管理ツールが出すログを収集・保存し、検索できる。異常なログが発生した際にアラートを出したり、レポートを作成することも可能だ。

――セキュリティ対策ツール、運用管理ツールなどでもログ管理の機能を備えるものが多いが、違いは何か。
 大きく3つの特徴がある。1つめは、スイッチといったネットワーク機器、サーバーなど各種のログを横断的に管理・検索できること。ログ管理で先行している米国でもそうだが、問題は、各種のログがバラバラに存在し、管理できていないことにある。そこで当社製品は、他社製品と簡単に連携できるようAPIを公開している。実際に、米IBMのTivoli、米CAのUnicenter、米EMCのSmartsなどの管理ツールとの連携が確認できている。

 2つめは、パフォーマンスが高く拡張性に優れることだ。当社ではログのデータを分析し、インデックス化する独自の仕組みを備えている。これにより検索、レポートなどの高速処理を実現する。また、アプライアンスを増設して性能を高めることも可能だ。

 3つめは、設置や設定が容易なことだ。設定では、通常必要となるスクリプトを書く必要はほとんどない。また、簡単なマウス操作でログの詳細情報を掘り下げ、分析できる。

――なぜ、今、日本で事業を本格展開するのか。
 日本版SOX法の施行もあり、コンプライアンス対応はIT管理者にとって緊急の課題だ。そのためログの管理は必須である。ただ、何の工夫もしなければ、IT管理者の負担は大きくなるばかり。例えば、システム運用に関する報告書を特別に提出しなければならないなど、新たな業務がどんどん増えるからだ。

 その負担を軽減するために、ログを一括管理できる当社製品が役に立つ。例えば、一足早く、米SOX法やカード業界のセキュリティ基準(Payment Card Industry Data Security Standard)などに対応する必要があった米国のIT管理者は、便利なログ管理ツールの有効性・必要性に気付いている。当社は2002年に設立された会社だが、米国を中心に既に世界に300社以上の顧客がいる。

――今後の日本での事業展開をどう考えているか。
 ターゲットは、コンプライアンス対応の必要性を感じている中~大規模企業だ。パートナー販売を主軸にする。現在、日本国内のパートナーは1社だが、今後拡充していきたい。また、日本ではシステム運用をアウトソースすることが多いため、ログ管理をサービスとして提供する事業者に製品を提供することも検討中だ。今後、日本法人も設立し、さらに積極的に日本でのビジネスを進めていきたい。