米Novellは米国時間5月23日に,米電子フロンティア財団(EFF)と共同でソフトウエア特許システムの改正に取り組むと発表した。NovellとEFFは政府機関や米国内および国際組織に向けて,革新を促すための特許関連の法令と方針を策定するよう強く訴えていく。とりわけ世界知的所有権機関(WIPO:World Intellectual Property Organization)に働きかけるとしている。

 Novell執行副社長兼CTOのJeff Jaffe氏は,「ソフトウエア特許が有意義な革新手段でないことはますます明白になっている」と述べる。「当社自身,多数の特許を保持しているため,一般的な特許システムの背景にある理論的根拠は理解している。しかし,ソフトウエア特許システムの改正は,今後のソフトウエア開発の推進に必要だ」。

 またNovellは,EFFの「Patent Busting」プロジェクトに各種リソースを提供する。同プロジェクトは2004年に始まったもので,失効の可能性のある特許などを見直して,不当な特許の無効化を図る活動を行っている。

 Novellは500件以上の特許を保有しているが,ビジネスの焦点をオープンソースに移行している。「当社は,オープンソースが革新に向けた新たなモデルだと認識している。既存の特許システムはオープンソース開発を阻害する」(同社)。

 ちなみにNovellは昨年11月に,米Microsoftとの提携を発表。LinuxとWindows仮想化や運用管理,オフィス文書などの分野で相互運用性確保を図るほか,両社の特許を互いの顧客に対し許諾することなどを明らかにした(関連記事)。

 この提携については,Linuxが採用するオープンソース・ライセンス「GNU General Public License(GPL)」の規約に矛盾するのではないかとの指摘(関連記事)をはじめ,オープンソース派から多くの批判があがった。

 また今年5月,Microsoftの顧問弁護士が米「Fortune」誌のインタビューで,Linuxなどのオープン・ソース・ソフトウエアがMicrosoftの所有する235件の特許を侵害していると語ったとして,大きな議論が巻き起こっている(関連記事)。

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