KDDIは6月上旬から、au携帯電話のGPS機能を利用した災害時支援サービス「災害時ナビ」を始める。現在位置を地図上に表示し、最寄りの避難場所や自宅までの方向、距離、ルート情報を提供するものである。携帯電話機から直接GPS衛星を利用して位置を測定する方式を採用し、通信不能な状況下でもサービスを利用できるのが特徴だ。

 サービスは、2種類ある。無料の「避難所マップ」と、有料の「帰宅支援マップ」である。

 避難所マップでは、最寄りの避難場所までの方向と距離を表示する。携帯電話機にあらかじめ主要道路や広域避難所の地図データを収録。災害時には、その地図上に現在位置などを表示する。細部の道路や建物の情報を省略することで、全国の地図データをカバーした。対応する携帯電話機のユーザーであれば無料で利用できる。

 一方の帰宅支援マップは、会社から自宅までといった2地点間の避難ルートを案内する。ユーザーは任意の2地点を指定し、避難ルートの地図データをauのサーバーで作成。このルート地図データを事前に携帯電話機にダウンロードして、災害時に使用する。ルート周辺の歩行注意情報やコンビニエンス・ストアの位置といった詳細な情報も地図上に表示する。

 ダウンロードできる地図データの容量に上限があるため、道が入り組んだ地域やコンビニなどの地図情報が多い地域はデータの作成に注意が必要だ。都心部を対象にルート地図データを作成した場合、直線で30km~50km程度の範囲が作成の目安となるという。

 帰宅支援マップの料金は、ルート地図1つにつき315円の情報料が必要。パケット通信料は別途かかる。

 サービスを利用できる携帯電話機は、6月上旬から順次発売する、W52CA、W53SA、W54Tなどの夏モデルの12機種。価格はいずれも1万~2万円程度だ。既存のGPS携帯電話機には対応していない。なお、地図データは、地理情報の調査・測量会社のアジア航測と協業して作成した。