写真●リージョナルトレンドラボの様子
写真●リージョナルトレンドラボの様子
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 トレンドマイクロは,日本国内で発生したウイルスを解析し,国内ユーザーをサポートするための拠点「リージョナルトレンドラボ」を,5月22日に開設した(写真)。「日本だけで広がるウイルスなど,地域性が高い攻撃が増えている。そういったウイルスをいち早く収集し,駆除できるようにする」と,日本代表の大三川彰彦氏はその狙いを説明する。

 リージョナルトレンドラボの役割は2つある。1つは日本国内で積極的にウイルスを収集すること。もう1つは,日本国内向けのパターン・ファイルを作成することである。国内向けパターン・ファイルは,まず,トレンドマイクロとサポート契約を結んでいる法人に提供。その後,一般のユーザー向けに定期的に配信しているパターン・ファイルにも組み込んで広く提供する。

 トレンドマイクロはこれまで主に,フィリピンにあるラボでウイルスを収集・分析し,対策ソフト用のパターン・ファイルを作成していた。日本にラボを設けたのは,日本だけで流行するウイルスが増えて,国内ISPなどからの情報収集力を高める必要があったため。パターン・ファイル作成も日本国内で可能になるため,提供までの時間を短縮する狙いもある。

 2007年秋には,リージョナルトレンドラボ内に,監視センターを設ける予定である。特定の法人の要望に応じて,法人社内のウイルス対策状況を監視し,ウイルスをいち早く検知・収集し,対策を講じることができるようにする。