ネメルティス・リサーチ創業者のジョアンナ・ジョンソン会長が「Data Center Summit」の講演で示した調査結果
ネメルティス・リサーチ創業者のジョアンナ・ジョンソン会長が「Data Center Summit」の講演で示した調査結果
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 「我々がレビューしたデータセンターの54%が1991年以前に構築された。つまり半数以上がインターネットの普及の前に作られたもの――」。データセンターの再構築の事情をこう語るのは、ネメルティス・リサーチ創業者のジョアンナ・ジョンソン会長。ネットワーク技術の総合イベント「Interop Las Vegas 2007」にあわせて開催されている専門会議「Data Center Summit」の講演でのひとコマだ。

 ネメルティスはデータセンターなどの動向を調査している企業であり、今回のData Center Summitの“議長”を務めている。ジョンソン会長によると、データセンターの再構築の機運が高まっているという。老朽化もその一因だが、新たな需要が生じているほか、データセンターの集約化の動きもこの3年で顕著になっている。例えばあるユーザー企業は150カ所のデータ・センター拠点を4カ所に集約したという。一方で、企業の拠点は分散する傾向にあり、同社の調査では従業員の88%は本社以外で勤務しているという。信頼性の高い通信回線の充実が、拠点の分散化と、遠隔のデータセンターへのアクセスを実現していると分析する。

 データセンター再構築の課題としては、消費電力を挙げた企業が最も多く、64.3%にも上った(写真)。以下、サーバー/ストレージの増加と冷却がそれぞれ57.1%、可用性と復旧性が50%で続く。

 さらにジョンソン氏は、データセンター再構築の動きを受け、IT部門の組織の変革の必要性についても言及した。講演では、データセンター全般に責任を負うデータセンター・アーキテクトや、ストレージの手当てを専門に行うストレージSWATチームといった新しい役職を提案した。