米マイクロソフトとコンピュータ・セキュリティの標準化団体であるTrusted Computing Group(TCG)は2007年5月21日(米国時間),検疫ネットワークで相互接続性を確保していくと発表した。

 これまでマイクロソフトは「NAP」(Network Access Protection),TCGは「TNC」(Trusted Network Connect)という名称で,それぞれ検疫ネットワークを推進してきた。ネットワークに接続する端末を認証した上で,その状態を確認し,問題がある場合は治癒(ちゆ)するという手続きは同じものの,プロトコルが異なるため相互接続性はなかった。

 今回,相互接続に向けた第1弾として新たに定めたのが,「IF-TNCCS-SOH」という端末の状態を知らせるためのプロトコル。マイクロソフトは既にWindows Vistaで対応しているほか,Windows XPでも対応する予定。また,検疫を行うサーバーはWindows Server 2008で対応する。一方,TNCに準拠した製品を投入しているネットワーク機器ベンダーやソフトウエア・ベンダーは,IF-TNCCS-SOHに準拠した製品を投入することで,マイクロソフトのNAP製品と連携して動作することができるようになる。

 Interop会場では5月22日~25日(米国時間)において,Windows Vista,Windows Server 2008,米ヒューレット・パッカード,米ノーテル,米ジュニパーネットワークスなどの製品の相互接続をデモする予定。

 なおマイクロソフトのNAPは,既に米シスコの「NAC」(Network Access Control)との相互接続性を保証している。このため,理論的にはNACとTNCの相互接続性も確保されていくことになる。ただしTCGのリリースによると,「今回はIF-TNCCS-SOHによるNAPとTNCの相互接続性を保証するもの」としており,シスコのNACとの相互接続性については言及していない。