1Uハーフ大のPCサーバー
1Uハーフ大のPCサーバー
[画像のクリックで拡大表示]
背面を合わせて2台のPCサーバーを高さ1Uに集積する
背面を合わせて2台のPCサーバーを高さ1Uに集積する
[画像のクリックで拡大表示]

 NECはデータ・センターなど向けに,低消費電力化とメンテナンス性を重視したラック・マウント型PCサーバー機「Express5800/iモデル」を5月28日から出荷する。価格は,1台あたり8万2800円(税別)から。販売目標は,2008年度(2008年4月~2009年3月)に1万5000台。

 Express5800/iモデルの特徴は,大きく2つある。1つは,ノート型パソコン用に作られたCPUを採用することにより低消費電力化を図るとともに,ラックマウント型PCサーバーの奥行を従来の半分にした「1Uハーフ・モデル」を用意した点である。もう1つは,遠隔メンテナンス用のハードウエア・チップを搭載している点である。

 1Uハーフ・モデルとは,高さ1Uのラック・マウント型PCサーバー機の奥行を半分にして,1Uの高さのままで前後に2台のPCサーバー機を収容できるようにしたモデルである。ケーブル類はすべてサーバー機前面にあり,サーバー機の背面には排気口だけがある。前後2台のPCサーバーの背面同士を向かい合わせて収容する。ラックの両側がPCサーバーの前面となり,ともに前面から取り入れた冷却用の空気を,ともに背面から排出して,ラックの中央を伝って天井側に逃がす。データ・センターの空調デザインによっては適さないが,集積度を大幅に高められるのが魅力だ。

 このサーバーで採用したCPUは,例えば1Uハーフ・モデルの場合,Pentium M 740(1.73GHz),同760(2GHz),CoreDuo T2500(2GHz)。同社が出店している秋葉原の評価センター兼ショー・ルーム「クラサバ市場」のデモ機では,Core Duo T2500搭載機の実測電力は,90~95ワットだった。すぐ隣りで稼働していたNetBurstアーキテクチャのPentium 4(3.8GHz)搭載ラックマウント機では,190~195ワットを表示していた。2者を比較すると,およそ半分の消費電力で済んでいる。

 また,オプションのラックマウント接続用レールに工夫を凝らしており,ネジ留めしなくてもPCサーバーの取り付けと取り外しが可能になっている。ワン・タッチで伸縮するレールを用いて,はめ込み型の構造を採用したものである。ネジ留めをする場合と比較して,取り付けと取り外しにかかる作業時間を「10分の1に短縮できる」(NECの説明員)としている。

 遠隔メンテナンス機能としては,Webブラウザを経由して,ハードウエアの状態監視や電源のON/OFFなどができるほか,Javaアプレットを用いた遠隔画面操作が可能である。画面操作はOSに依存せず,どのようなOSのGUI画面であっても操作できるという。デモ機では,データ・センターでの採用が多いと思われるCentOS(Red Hat Enterprise Linux互換OS)の画面を遠隔操作していた。

 Express5800/iの全5モデルの価格は以下の通り。1Uハーフ・モデルは,Pentium M搭載モデル「Express5800/i110Ra-1h」が8万2800円(税別)から,Core Duo搭載モデル「同i110Rb-1h」が13万8000円(税別)から。奥行が長い通常の1Uモデルは,デュアルコアXeon 3040(1.86GHz)搭載モデル「同i110Rh-1」が14万9000円(税別)から,デュアルコアXeon 5110(1.6GHz)または低電圧版デュアルコアXeon 5148(2.33GHz)搭載モデル「同i120Rg-1」が23万円(税別)から。いずれも,ディスクは標準では搭載しない。また,「同i120Rg-1」にRed Hat Enterprise Linuxをプリインストールしたモデルも35万5000円(税別)から用意した。

■変更履歴
初出時,「販売目標は,2008年度末(2009年3月決算期)までに1万5000台」としていましたが、「販売目標は,2008年度(2008年4月~2009年3月)に1万5000台」です。お詫びして訂正します。本文は訂正済みです。[2007/05/22 20:35]