Teleglass T3-Fの外観
Teleglass T3-Fの外観
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 デジタル顕微鏡やマイクロスコープなどの光学・分析機器メーカーであるスカラは5月22日、本体重量が35gの小型ヘッドマウント・ディスプレイ「Teleglass T3-F」を発売する。これまで他メーカーが販売するヘッドマウント・ディスプレイは、両目を全面的に覆うゴーグル型が主流だったが、T3-Fは眼鏡の片側に装着する方式を採用した。使わないときは、画像表示部分を電動で折りたたみ収納できる。

 画面の解像度はQVGA(320×240ドット)。約2メートル先に28インチ相当のディスプレイを設置して利用するのと同等のサイズだ。両手が自由に使える状態で常にディスプレイのデータを見られることから、在庫管理情報を閲覧しながら作業する製造・流通業界や、心電図などの情報を見ながら手術するといった医療業界での利用を主なターゲットとしている。

 今後、画面の解像度をVGA(640×480ドット)に高めたタイプを開発するほか、3万~4万円程度のコンシューマ向け製品も検討中。「2年でも3年でもじっくり時間をかけて、着実にヘッドマウント・ディスプレイの市場を広げたい」(スカラの清原大三技術部部長)という。

 同社はTeleglass T3-Fの開発に当たり、デザインに注力したという。街中で使っていても違和感がないように、ディスプレイを装着する専用の眼鏡は福井県鯖江市のエクセル眼鏡など国内眼鏡フレーム・メーカーと共同で開発。本体を取り外しても、通常の眼鏡として使えるデザインを採用した。今後、眼鏡フレームの種類を増やし、通常の眼鏡店でもT3-F用の眼鏡フレームを販売する方針だ。価格は専用の眼鏡などがセットで9万8000円(税別)。初年度で約3000台、3億円の売り上げを目指す。