NECの小野隆男執行役員常務
NECの小野隆男執行役員常務
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 NECは5月21日、2006年度(2007年3月期)の連結決算を発表した。売上高は4兆6526億円と、前年度比で2774億円(同5.6%)の減収。営業損益も700億円と、25億円の減益(同26%減)だった。減収減益だった理由について、小野隆男執行役員常務(写真)は「パーソナルソリューション事業において、欧州PC市場から撤退したことが大きく響いた」と説明した。

 事業セグメント別の売上高は、「モバイル/パーソナルソリューション事業」が9650億円と前年比で2853億円の大幅減収。「IT/ネットワークソリューション事業」は2兆7588億円と前年比で36億円の減収。「エレクトロンデバイス事業」は8610億円と前年比で451億円の増収だった(その他事業の売上高は678億円で336億円の減収)。

 IT/ネットワークソリューション事業の売上高の内訳を見ると、「ネットワーク・システム」分野は、NGN関連のビジネスが好調で1兆263億円と334億円の増収だった。「ITサービス/SI」分野は、7756億円と44億円の増収。一方、「ITプラットフォーム」分野は売上高が6514億円と322億円の減収、「社会インフラ」分野は3055億円と92億円の減収だった。

 同事業の営業利益は1541億円と、前年度比で267億円の減益だった。営業利益の内訳は、ネットワーク・システム分野が800億円弱、ITサービス/SI分野が約500億円、ITプラットフォーム分野が100億円弱、社会インフラ分野が150億円強である。

 同事業が減益となった理由の1つは、「瑕疵補修」のための費用を計上したことが挙げられる。瑕疵補修とは、システム開発案件における不具合対応のこと。開発した案件で瑕疵が発生した場合を想定し、予想される補償費用をあらかじめ引き当てた。その額は、例えばITサービス/SI分野で約30億円、ネットワーク・システム分野で約60億円、社会インフラ分野で約40億円に上る。

 今期(2008年3月期)の連結業績見通しは、売上高が4兆7000億円(同1%増)、営業利益が1300億円(同600億円増)と増収増益を見込んでいる。「成長が見込めるNGN関連ビジネスで2006年度の倍となる2000億円の売上高を目指す」(小野常務)とする。