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 金融庁は5月17日、「内部統制報告書」の書き方を示した内閣府令の案を公表した。「金融商品取引法」に盛り込まれた内部統制制度、いわゆる「日本版SOX法」(J-SOX)を受けた府令であり、金融庁は6月18日まで案に対する一般からの意見を受け付ける。既に確定した実施基準などと合わせて、これでJ-SOXを構成する制度は一通り姿を現した。

 金融庁が公表したのは、「財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する内閣府令案」。企業の経営者が内部統制報告書に書く事項を示している。会社名や代表者名などの会社情報のほか、(1)内部統制の基本的枠組み、(2)評価した範囲や、評価をした基準日(通常は決算期末)、評価手続き、(3)評価結果、(4)付記事項、(5)特記事項----である。

 例えば、一番の肝となる評価結果は、次の区分に分けて内容を書く。

・財務報告にかかる内部統制は有効であること
・評価の一部が実施できなかったが、財務報告にかかる内部統制は有効であること、そして実施できなかった評価手続きとその理由
・重要な欠陥があり、財務報告にかかる内部統制は有効でないこと、そしてその重要欠陥の内容と期末日までに是正できなかった理由
・重要な評価手続きが実施できなかったため、財務報告にかかる内部統制の評価結果を表明できないこと、そして実施できなかった評価手続きとその理由

 また、この内部統制報告書に監査人が意見を表明する書式も規定しており、「内部統制監査の対象」「監査の概要」「報告書は、すべての重要な点を適正に表示しているかの意見」などを記す。