東芝とノーテルネットワークスが、モバイルWiMAX基地局の開発で提携した。

 両社が共同開発するのは小型の基地局。東芝が高効率アンプなど高周波技術を、ノーテルはOFDM(直交周波数分割多重方式)およびMIMO(Multiple Input Multiple Output)といったデジタル技術を持ち寄って、土地価格が高価な日本の市場に受け入れやすい省スペースで省電力型の製品を開発する。2007年第3四半期に開発を終え、実証試験を経て2008年には市場に投入する。

 5月18日に開催した記者会見で、ノーテルネットワークス LG-Nortel社のピーター・マッキノン会長は「モバイルでは日本がリードしている。世界のモデルが、日本の実績にならうことになるだろう」と、今回の提携に大きな期待感を示した。マッキノン会長は2010年におけるモバイルWiMAXの市場規模が40億ドルに達するという調査会社の予測を引用し、「モバイルWiMAXの領域でメジャー・プレイヤーとしての地位を確立する」とした。東芝 社会システム社の木村俊一社長は「国内では25%は確保したい」と語った。

 両社は、総務省東北総合通信局のモバイルWiMAX実証実験向けに、機器提供やフィールド試験で協力した実績があった。