欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)は,EU主導の全地球測位システム(GPS)計画「Galileo」を修正する。EUがベルギーで現地時間5月16日に明らかにしたもの。計画に遅れが目立つことから,今後はEU加盟国政府などの関与を強化していく。

 Galileoは,米国のGPSに対抗する目的でEUが推進している人工衛星による位置情報確認システム。高度2万4000kmに30個の人工衛星を打ち上げ,各種サービスを提供する。米国のGPSよりも高精度の位置計測が可能と言われている。

 ECはGalileoサービスの本格運用を2012年までに開始する計画だが,「重要な決定を下す時期に来ており,実現方法について政治的な判断が必要」(EC)としている。具体的には,Galileo用インフラの整備/管理を請け負う民間企業との契約締結が思うように進んでおらず,計画実現にとって深刻な課題になりつつあるという。

 計画の早い段階で民間企業に参加させると,多大なコスト的負担を強いることになるため,ECは公共機関の協力が必要と見ている。そこで,EU加盟国に対して,政策/資金/計画運営面の決断を求める。

[発表資料へ]