写真1●Windows Rallyの技術を使ってAV機器をコントロールするデモ
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写真2●Windows SideShow対応デバイスの試作機
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写真3●Windows SideShow対応デバイスの試作機(裏面)
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 米Microsoftは2007年後半,Windows Vista認定(Certified for Windows Vista)のロゴに対応したデバイス(周辺機器)を開発するための環境を提供する。5月15~17日にかけて米ロサンゼルスで開催されたWindows Hardware Engineering Conference(WinHEC 2007)で発表した。

 一つは,「Windows Rally」に対応したデバイスを開発するための環境として,.NET Micro Frameworkをリリースし,Windows Embedded CE 6.0でWSDAPI(Web Services on Devices API)をフルサポートするようになること。もう一つは,Windows CEの5.0と6.0において「Windows SideShow」を実装可能にすることである。

 Windows RallyとWindows SideShowは,Microsoftが2006年5月に,米シアトルで開催されたWinHEC 2006で発表した技術。いずれもWindows Vista認定(Certified for Windows Vista)のロゴを取得するために必要となる機能である。

各種デバイスを
プラグ・アンド・プレイで利用可能に

 Windows Rallyは,ネットワークで接続された各種デバイスとWebサービス・ベースのプロトコルで通信することにより,プラグ・アンド・プレイ感覚で簡単に利用できるようにするための仕組みである。デバイスを楽(effortless)にセットアップし,安全(Secure)かつ高い信頼性(reliable)で,どこからでもアクセスできるようにするための技術の総称であり,デバイスのインストールから,配置,実行,障害診断まで全ライフサイクルを対象にする。

 インストールや配置を容易にする技術としてPnP-X(Plug and Play Extension),DPWS(Devices Profile for Web Services:Webサービス仕様の軽量版),WCN(Windows Connect Now)を,実行や障害対応のための技術としてLLTD(Link Layer Topology Discovery)などがある。

 Windows Rally対応デバイスを用いれば,例えば,新たに利用する際にインストール用CDを用意したり,障害対応のためにコマンドプロンプトを使ったりする必要がなくなるという。WinHECの講演では,ネットワークに接続されたプロジェクタ,プリンタ,スキャナを見つけてパソコンから即座に利用したり,家電製品(照明,サーモスタット)やAV機器をコントロールするデモなどを実演した(写真1)。

PCの延長としてディスプレイ付きデバイスを利用できる

 Windows Sideshowは,ネットワーク接続した小型ディスプレイ付きデバイスからパソコンへアクセスし,得られた情報をそのデバイスに表示するため技術である。Vistaのデスクトップに表示されるGadgetsを,デバイスから起動し,実行結果をデバイスのディスプレイに返す仕組み。ユーザーはパソコンの延長としてデバイスを利用でき,開発者にとっては,プログラム・コードが機器の種類に非依存になるメリットがあるという。

 WinHECの講演では,デバイスの試作機を使ったデモが行われた(写真2写真3)。SideShow対応デバイスとしてはすでに,アラブ首長国連邦(UAE)のi-mateが携帯電話やデジタル写真たて(Picture Frame)をリリースしているほか,今年後半には各社がディスプレイ付きスピーカーやリモート・コントローラなどをリリースする予定だという。