米AMDは5月18日、モバイルに特化し、消費電力の低減を図ったCPU(開発コード名:Griffin)と、新型チップセット「RS780」を搭載したプラットフォーム(開発コード名:Puma)を発表した。CPUのコアごとに消費電力を制御したり、使用するグラフィックス・チップをリブートなしで切り替えるなど、新たな機能を盛り込んだ。同社はGriffinとPumaを2008年半ばに出荷する予定だ。

 Griffinの特徴は、消費電力を従来よりもきめ細かく制御できるようにしたこと。例えば、2つのコアの処理を止めることなく、個別に周波数や電圧を変更できる。CPUのコアとチップセット間のバンド幅も制御可能にした。バンド幅は最大16倍まで増やすことができ、通信が発生しない場合は0にすることも可能である。

 新型チップセット「RS780」を搭載したプラットフォームPumaには、グラフィックス・チップの切り替え機能を新たに加えた。例えば、パソコンがコンセントにつながっているかどうかで、システムをリブートすることなく、利用するグラフィックス・チップを切り替えられる。コンセントにつながっているときには、消費電力が多い外部グラフィックス・チップを使い、バッテリ使用時には消費電力の少ない内蔵のグラフィックス・チップを使うといった具合である。

 開発コード名のGriffinは、ギリシャ神話に登場する、上半身が鷲で下半身がライオンの架空の生き物に由来する。「ライオンの力強さと、鷲の機動力を兼ね備えた新型のCPUという意味を持たせた」と日本AMDジャパンエンジニアリングラボの福井健人所長は説明する。