日立製作所は5月16日,2007年3月期の連結決算を発表した。売上高は前期比8%増の10兆2479億円で過去最高。営業利益は同29%減の1825億円で減益だった。減益の理由は,中部電力で発生した同社製原発タービンの事故対応,ハードディスク(HDD)事業の不調,売価の下落,原材料費の高騰など。当期純損益は327億円の赤字(前期は373億円の黒字)だった。

 情報通信システム分野は,売上高が前期比5%増の2兆4722億円,営業利益は同29%減の603億円だった。今期は,ソフトウエア分野とサービス分野が伸びたものの,HDD事業(日立グローバルストレージテクノロジーズが事業を担う)の赤字が拡大。減益の大きな原因となった。

 2008年3月期の見込みは,連結売上高が前期比2%増の10兆5000億円,連結営業利益は同59%増の2900億円。情報通信システム分野では,売上高は前年比2%減の2兆4200億円,営業利益は同21%増の730億円を見込む。まずHDD事業で新製品の投入を進めるのと同時に,工場の再編でコスト削減を図る。またソリューション事業のコスト削減,コンサルティング事業の強化により利益拡大を狙う。

■変更履歴
情報通信システム分野の内訳として「ソフト・サービス分野」という表記がありましたが,誤解を招くおそれがあるため「ソフトウエア分野とサービス分野」に表現を変更しました。本文は修正済みです。 [2007/05/17 11:15]