ディスクに杭を打ち込んで物理的に破壊する日本パルス技術研究所の「DT-1500M」
ディスクに杭を打ち込んで物理的に破壊する日本パルス技術研究所の「DT-1500M」
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永久磁石の磁力でデータを消去する日本パルス技術研究所の「DTM-4000G」
永久磁石の磁力でデータを消去する日本パルス技術研究所の「DTM-4000G」
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三映電子工業が開発した「搬送型データ消去装置」
三映電子工業が開発した「搬送型データ消去装置」
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 要らなくなったディスクのデータを消去する製品/サービスがにぎわっている。ディスクからの情報漏えいを防止するのが狙いだ。2007年5月16日から東京国際展示場(東京ビッグサイト)で開催中の「データストレージEXPO」では,この分野の新製品が何点か展示されている。

 ディスクから情報の読み出しをできなくする方法は,大きく3つある。1つは,データを上書きして元の情報を再現できなくする方法。もう1つは,強力な磁気にさらすことで磁気データである記録情報を失わせる方法。そして3つ目は,穴を開けるなどディスクを物理的に破壊する方法である。いずれの方法も,それぞれに該当する製品/サービスが存在する。

 日本パルス技術研究所は,ディスクを物理的に壊す装置の新版「DT-1500M」と,磁石の磁気でデータを消去する新製品「DTM-4000G」を,ブース展示した5月16日に受注開始した。ディスク破壊サービス事業者やユーザー企業向けに販売するほか,みずからユーザー企業に出向いてディスクを破壊する出張サービスも提供する。

 DT-1500Mは,ディスクに2本の杭を打ち込むことで物理的に破壊する装置。圧力2トンの油圧式のピンで,2個の貫通穴を開ける。ディスク1基の破壊にかかる時間は10秒。今回新たに,磁石を用いたデータ消去機能を追加した。磁気でデータを消去した後に物理的に形状を破壊するという2段階のセキュリティを実施する。価格は147万円(税別)。

 一方のDTM-4000Gは,1万2000ガウスの永久磁石を搭載した箱状の小型装置である。3.5インチのディスクを手動で本体に挿入することで,データを消去できる。ディスク1基にかかるデータ消去時間はわずか3秒である。ディスクを挿入して3秒後に消去完了を示すLEDが点灯する。価格は18万5000円(税別)。

 ソフトウエアによってデータを上書きするタイプのデータ消去装置もある。このタイプの装置をユーザー企業のデータ・センターに容易に持ち込めるようにした製品が,三映電子工業が開発した「搬送型データ消去装置」である。2007年7月から受注を開始する。パソコンとディスプレイ,FC(Fibre Channel)やSAS(Serial Attached SCSI),SCSI,SATA(Serial ATA),ATAなど異なる複数の接続ケーブル,ディスクを設置する棚などを金属ケースに収容して搬入を容易にしている。

 複数のディスクを並行して同時にデータ消去が可能。上書きするデータについては,任意のデータ・パターンや繰り返し書き込みなど,必要とするセキュリティ強度に応じて複数の方法から選べる。価格は100万円強からだという。