NTT東日本のIPサービス網で5月15日夕方に発生した大規模障害は16日の午前1時30分で全面的に復旧した。影響を受けたのは、アクセス回線サービスの「フレッツ」とIP電話サービスの「ひかり電話」。NTT東日本の14都道県と広いエリアで発生した。

 最終的な集計で、トラブルの影響を受けたのは「Bフレッツ」などフレッツ・サービス合計で285万契約、ひかり電話で59万契約が対象だったという。東京23区、神奈川県、千葉県、埼玉県は稼働していた。

 ひかり電話についてはNTT東日本がユーザーにチェックを呼びかけている。具体的には、障害の最中にユーザー側機器の電源をオン/オフした場合。「再度電源のオン/オフの操作をしてほしい」、としている。個人向けだけでなく法人向けのサービスも対象だ。

 今回の対策はNTT東日本の設備内にあるIP伝送装置の送受信を処理している機能のリセット。IP網を都道県単位で構築していることから、この単位でサービスが復旧していった。

 もっとも、16日午前7時の時点で「原因はつかめていない。引き続き究明に努めている」(NTT東日本広報室)と不確定な部分が残る。「外部から不正アクセスを受けた形跡はない」(同)と言う。06年からIP網を利用したサービスのトラブルが続く。高度な技術で2重化しているはずの機器やネットワークがダウンする問題が続いている。東西NTTには抜本的な対策が求められている。