プレゼン後、記者の質問に答える認定者。左が京都大学大学院の松村郁生氏、右が津山工業高等専門学校の井上恭輔氏
プレゼン後、記者の質問に答える認定者。左が京都大学大学院の松村郁生氏、右が津山工業高等専門学校の井上恭輔氏
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 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は2007年5月15日、同団体が実施している「未踏ソフトウェア創造事業」の2006年上期支援対象事業の中から、特に優秀な人材15名を「天才プログラマー/スーパークリエータ」として認定したと発表した(発表資料)。

 未踏ソフトウェア創造事業は、IPAが2000年度から実施している事業。個人やグループからソフトウエア技術や事業アイデアを公募し、その開発を支援する。年齢制限なしの「未踏ソフト」と28才未満を対象とした「未踏ユース」の2つの部門があり、それぞれ年2回ずつ公募している。2006年度上期は未踏ソフト、未踏ユース併せて213件の応募があり、そのうち52件が支援の対象となった。

 「天才プログラマー/スーパークリエータ」は、支援対象の中から、特に優秀な人材を選出・認定するもので、過去にはVPNソフト「SoftEther」を開発した登大遊氏などが選ばれている。2006年度上期に選ばれたのは未踏ソフトから9人、未踏ユースから6人だった。認定者の開発テーマはIPAの資料(PDF形式の発表資料)に詳しい。

認定者2名が代表してプレゼン

 発表会では、未踏ソフト部門の認定者を代表して京都大学大学院情報学研究科の松村郁生氏が、未踏ユース部門を代表して津山工業高等専門学校電子情報システム工学専攻の井上恭輔氏が開発テーマを発表した。

 松村氏が開発したのは「PatchService」と名付けたサービス。複数サイトが提供する異なる機能を組み合わせて、新しいWebアプリケーションを容易に作成できる。発表会では、台風情報サイトから台風の進路情報を収集し、Googleマップ上で予想進路を表示するデモを披露した。

 一方、井上氏が開発したのは「Antwave」というWebブラウザー。このブラウザーを使うと、サイトを訪問した経路を自動的に集計・分析する。そして、Antwaveユーザー全体の分析結果を電車の路線図のような経路表にまとめて、ブラウザーの一部分に表示する。

 ユーザーはこの分析結果を見ることで、ほかのユーザーが次にどんなサイトを訪問することが多いのか、多くの人が集まっているサイトはどこかなどかを知ることができる。将来的には、SNSのような会員制サイトにコミュニケーションツールの一つとして導入されることを想定しているという。