日立製作所はグループ内で運用している業務サーバー群を、2010年までにブレード・サーバーにほぼ全面的に統合する。約1万台あるUNIX/IAサーバーを、約3000枚の同社製ブレード・サーバーに置き換える。

 第一弾として昨年12月、グループ内で共同利用している財務会計システム「hi-Fronts」をブレード・サーバーに統合した。hi-Frontsは独SAPのERP(統合基幹業務システム)「R/3 4.7」を中核に構築したシステム。5年前にUNIXサーバー4台、IAサーバー2台で構築した。これを同社のブレード・サーバー8枚とIAサーバー1台で置き換える。

 サービスとしては、「決算作成」「外国送金」「入出金管理」「資金の実績管理」「間接費管理」「固定資産管理」「旅費精算」の7つを提供中。現在hi-Frontsは日立本体を含めたグループ30社で利用しており、08年度までにグループ50社超へと拡大していく。

 日立はブレード・サーバーの新システムへの移行メリットを定量的かつ客観的に示すため、米ガートナーに評価を依頼。このほどガートナーが独自の性能指標「GEMs」を用いて算出した。これによるとコストをGEMsで割った値、つまり価格対性能比が旧システムから6.9倍向上したという。最も大きな効果はサーバーやソフトウエアへの初期投資や運用費などを合わせたコストで、年間約70%の削減となった。

 日立は評価結果を企業ユーザーに提示し、同社のブレードを利用したサーバー統合案件を提案していく考え。