写真 totoの公式サイトは販売を停止し、詫び文を掲載している
写真 totoの公式サイトは販売を停止し、詫び文を掲載している
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 Jリーグのサッカーチームの勝敗を予想するスポーツ振興くじ(toto)の販売システムが5月12日午前、アクセス集中によって利用しにくい状態となった。totoを運営する日本スポーツ振興センターは「予測を超えるお客様の購入が集中した。深くお詫びを申し上げたい」としている。

 トラブルの対象となったのは、5月12日、同13日に実施する試合を予想する第277回のtoto。通常で賞金が最高3億円のくじ「BIG」において当選金の繰り越しが発生しており、最高で6億円の賞金が支払われる状況となっていた。コンビニエンス・ストアの店頭では12日の午前11時30分、Webサイトでは同日午後1時50分がそれぞれ販売の締め切り時刻で、ユーザーの駆け込み購入があったと見られる。

 totoのくじは、ファミリーマート、ローソンと特約店の店頭、日本スポーツ振興センターとイーバンク銀行のWebサイト、の主として2経路で販売されている。このうちファミリーマートは締め切り前の午前10時に店頭での販売を中止した。ローソンなどでも購入に大きな支障が出ていた。日本スポーツ振興センターの運営するtoto公式サイトでの販売は「予定どおり販売を終了した」(同センター)とするものの、つながりにくい状態が続いていた。日本スポーツ振興センターは、各販売チャネルとシステムをつなぐ接続ゲートウエイの処理がボトルネックとなりトラブルを起こしたと見ている。

 totoは2001年のスタート時から2005年度まで、日本IBMが中心となって開発したシステムを利用していた。しかし、想定していた事業とシステム規模が大きかったため、toto事業の売上が急速に落ち込む中で運用費の負担が大きくなった。さらに、顧客を呼び込む新しいくじの導入には大きなシステム投資が必要、という悪循環に陥っていた。

 そこで、2006年度から日本ユニシスが新システムを開発し運営する体制に切り替えた。Windowsベースのオープン系で構築したもので、BIGのような新くじの早期投入とシステム容量の柔軟な変更がウリだった。前者は達成されているが、後者については見通しが甘かったと言える。また、今年の3月にもシステム障害を発生させており、トラブルが目につくようになった。日本スポーツ振興センターと日本ユニシスは5月12日から14日までtotoの販売システムを停止し、問題の究明と対策を施す。