ソニーエナジー・デバイス製リチウムイオン電池の発火問題に関連して、2007年4月に東芝のノートパソコンが発火する事故が起きていたことが明らかになった。これを踏まえ東芝では、ユーザーに対し改めて使用中のノートパソコンのバッテリーパックを確認し、交換対象製品については速やかに交換するよう呼びかけている(発表資料)。

 発火事故が起きたのは2007年4月24日で、場所は東京都内。ACアダプターを接続し、電源が入った状態のパソコンで、突然バッテリーパックが発火した。火はバッテリーパックだけにとどまり、パソコン本体や建物などには延焼しなかった。また事故当時ユーザーはパソコンの前から離れており、けがなどはなかったという。

 現在、東芝とソニーが共同で事故原因を調査している。「今のところ原因の特定には至っていないが、バッテリーパックに収められている単電池(セル)に内部短絡の痕跡が見つかっている。バッテリーパックの構造や保護回路などに設計上の不具合があったわけではなく、偶発的な原因であると両社とも判断している」(東芝広報室)。

 同社では、販売済みノートパソコンの一部で不具合の恐れがあるバッテリーパックを使用しているとして、2006年9月からユーザーに無償交換を呼びかけている。対象製品は全世界で約87万台。現段階で交換済みの台数は明らかにしていないが、「無償交換の受け付けを始めた当初に比べると申し込みの件数が減っており、まだ十分とはいえない」(東芝広報室)のが現状という。

 使用中のバッテリーパックが交換対象かどうかは、同社Webサイトで確認可能。同サイトで配布している判定プログラムを実行するか、ノートパソコン底面のシールに書かれている機種名と製造番号を基に照合する。交換対象だった場合は、判定プログラムから誘導されるWebサイトまたは電話(0120-366554)で無償交換を申し込むよう呼びかけている。