放送業界の第三者機関である放送倫理・番組向上機構(BPO)と日本民間放送連盟,NHKの3者は2007年5月10日,テレビ番組の捏造(ねつぞう)などを防止するための新組織「放送倫理検証委員会」を,5月12日にBPO内に設立すると発表した。関西テレビ放送による「発掘!あるある大事典II」の番組捏造問題が2007年1月に発覚したのを機に,BPOとNHK,民放連が設立で合意していたものである。BPO傘下の放送番組委員会を発展的に解消して立ち上げる。委員長には,弁護士で大宮法科大学院大学教授の川端和治氏が就任する。
虚偽の内容によって視聴者に著しい誤解を与えた疑いがある番組が放送された場合に新委員会は,放送倫理上の問題があったかどうかを調査・審理して,「勧告」または「見解」を公表する。必要な場合は,該当する放送事業者に対して1カ月以内に再発防止策の提出を求め,3カ月以内に防止策の実効性を検証する。こうした権限を新委員会に与えることで,放送事業者の自浄能力を高め,総務省による新たな行政指導という番組内容への公権力の介入を防ぐ。
なお新委員会は,委員長を含めて10人で組織される。メディアプロデューサーの村木良彦氏や脚本家の市川森一氏,評論家の立花隆氏,作家の吉岡忍氏,立教大学教授の服部孝章氏などが名を連ねている。