写真●ALSIセキュリティソリューション部の杉本浩信部長
写真●ALSIセキュリティソリューション部の杉本浩信部長
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 アルプス システム インテグレーション(ALSI)は,DRM(デジタル著作権管理)技術を使って文書ファイルの暗号化やアクセス制限を実現するソフトウエアの新版「DocumentSecurity3.5」を,6月1日から出荷する。新たに日本語のほか,英語,繁体中国語,簡体中国語,韓国語,ドイツ語,フランス語,チェコ語の,7カ国語8言語に対応した。

 「今や,海外の拠点であっても日本並みの情報漏えい対策が求められる。グローバル拠点も含めて同じ基準で対策を講じる企業が増えるはず」と,ALSIセキュリティソリューション部の杉本浩信部長は新版の狙いを説明する(写真)。

 DocumentSecurityは,文書ファイルを暗号化した上で,ユニークなIDを埋め込み,ファイルへの操作を制限する機能を備える製品。文書ファイルを扱うユーザーのパソコンに専用ソフトをインストールして使う。文書ファイル作成者が,どのユーザーにどのような操作を許可するかを指定すると,専用ソフトがその情報をポリシー管理サーバーに登録する。

 ほかのユーザーがその文書ファイルを操作しようとすると,専用ソフトがファイルのIDを基にサーバーからアクセス権限情報をダウンロードし,操作を制限する。制限可能なのは,ファイルの編集や部分的なコピー,印刷などである。ほかに,ファイルの操作履歴を記録する機能や,DocumentSecurityの専用ソフトを使っていないユーザーの操作を制限する機能,一定期間でファイルそのものを自動消去する機能なども備える。

 ALSIの親会社であるアルプス電気が,すでに導入を決めた。アルプス電気情報システム部の谷村敏一部長は,「最近は取引先企業からの情報漏えい対策の要求が高く,セキュリティ監査を求められることもあるほどだ。世界に30以上の拠点を持つ当社としては,世界共通のポリシーで情報漏えい対策を実現するためのツールが必要だった」と話す。

 DocumentSecurityの価格は,50クライアントで183万7500円(税込)から。ALSIは初年度100万ライセンス,20億円の売り上げを目標に掲げる。