NTTデータの浜口友一社長
NTTデータの浜口友一社長
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 NTTデータは5月9日、2007年3月期決算を発表した。売上高が前期比15.2%増の1兆449億円、営業利益は同92.6%増の902億円(いずれも連結)となり、04年5月に発表した中期経営計画の目標値、売上高1兆円、営業利益750億円を達成したことになる。

 1兆円の目標達成の要因について浜口友一社長は、(1)社員の潜在能力を生かせたこと、(2)「営業力強化」、「SI競争力強化」、「新商品・サービスの創造」といった成長への施策が浸透したこと、(3)大規模案件向けの人的資源を確保できたこと、の3点を挙げる(写真)。「当初は無理だろうという声が大きかったが、結果的には目標を大きく上回ることができた。07年3月期の中間決算を発表したあたりで目標値の達成を確信した」(浜口社長)という

 売上高は公共、金融、法人(金融業以外の一般企業)の全分野で増収となった。最も伸びが大きかったのは法人分野で、前期比46.2%増の3483億円。公共と金融はそれぞれ、同5.4%増の3442億円、同18.2%増の3245億円だった。法人分野の売上高が金融分野より高かったのは同社にとって初めて。「今まで最もボリュームの小さかった法人分野を強化してきたことが利いてきた」(浜口社長)としている。

 今回、08年~10年3月期の中期経営計画も発表した。具体的な数値目標として、増収増益基調を維持しつつ、売上高営業利益率を10%にすることを掲げる。浜口社長は、「この3年間は量(売上高)を追求してきたが、今期からの3年間は(仕事のやり方・価値創造ビジネスといった)質を重視していく」と説明する。その達成に向けた舵取りは、6月にも新社長に就任予定の山下徹副社長に引き継がれる。