米Microsoftは5月6日(米国時間),多くのユーザーが利用しているWebメール・サービス「MSN Hotmail」の後継版「Windows Live Hotmail」を提供開始すると発表した(関連記事:米マイクロソフトが「Windows Live Hotmail」を正式公開)。Hotmailは1996年に始まったサービスで,現在2億8000万人以上のユーザーが使っており,最も普及したWeb対応サービスの1つとなった。Microsoftは,「Windows Live Hotmailをこれから10年間のメール・サービスとするため,複数の技術的な基盤を設けた」としている。

 Microsoft上級副社長のSteve Berkowitz氏は,「Windows Live Hotmailで極めて魅力的なエンド・ツー・エンドのメール操作環境を実現し,パソコンとモバイル機器,Webを組み合わせる最適なメール・アクセス環境を容易に構築可能とする」と述べる。「メールは,消費者の購買行動に大きな影響を与える。したがって,Windows Live Hotmailは当社にとってオンライン・サービスの重要な土台であるとともに,オンライン広告事業の欠かせない構成要素だ」(Berkowitz氏)

 Windows Live Hotmailは,ユーザー・インターフェースを刷新し,セキュリティや生産性の面で様々な機能を強化したほか,新たな機能を搭載し,より魅力的なメール・サービスになるだろう。たとえば,MicrosoftはWindows Live Hotmailの全ユーザーに対して,「Outlook 2003」および「Outlook 2007」内からWindows Live Hotmailにアクセス可能とするソフトウエア「Microsoft Office Outlook Connector」の無料版を提供する。これまでOutlook Connectorを利用するには,HotmailまたはMSNの有料アカウントを取得する必要があった。またMicrosoftは,Outlookを持っていないユーザー向けのメール・アプリケーションとして,Hotmailと互換性のある新しい無料ソフトウエア「Windows Live Mail」を間もなくリリースする。Windows Live Hotmailは,モバイル機器向けクライアント・ソフトウエア「Windows Live Mobile」を利用すると,Windows Mobile搭載デバイスでもアクセスできる。

 Microsoftは,Windows Live Hotmailの主要サービスも強化した。MSN Hotmailで1Gバイトだったメール保存容量は,Windows Live Hotmailで2Gバイト以上となり,Microsoftは「ユーザーの要望に応じて容量拡大を続ける」とした。新たに設定された上位メニュー「Windows Live Hotmail Plus」のメール保存容量は4Gバイトで,メール添付ファイルのサイズがこれまでの10Mバイトから20Mバイトに拡大した。Plusユーザーは,同サービス内から外部のメール・アカウントにPOP3でアクセスし,メールをWindows Live Hotmailで集中管理することも可能だ。

 Microsoftによると,Windows Live Hotmailの一般提供は1週間以内に開始するという。既存のHotmailユーザーは,自分でWindows Live Hotmailに移行できる。ただし,2007年末には自動的に移行する。「誰でも新たにWindows Live Hotmailの利用を始められる」(Microsoft)

 詳細については,SuperSite for Windowsに掲載した著者の徹底的なWindows Live Hotmailレビューを読んでいただきたい。