新基幹行政システムのイメージ(浦添市資料を一部加工)
新基幹行政システムのイメージ(浦添市資料を一部加工)
[画像のクリックで拡大表示]

 沖縄県浦添市は5月1日、公募していた「新基幹行政システム開発共同研究」のパートナー事業者を、NTTデータ九州とイーコーポレーションドットジェーピー(2社による共同提案)に決定した。新基幹行政システムは、「国や他自治体などの各種システムとの連携が可能」「オープンシステム仕様のUNIXを基本に構成」「住民記録、税、国保、福祉などの統合データベースを構築」「開発言語はJAVA」などの基本要件で、2009年3月までに構築する。システム稼働後のカスタマイズは地元企業に依頼する方針だ。

 今回の公募について、浦添市では「新たな基幹システムを共同で開発するパートナを募集するものであり、基幹システムの開発を委託するものではありません。よって、共同開発に際し、浦添市として開発費を負担するものではありません」としている。つまり、浦添市は開発にかかる業務ノウハウの提供等を行うが費用負担はしない。事業者には開発後のビジネス展開で収益を上げてもらうという方針を打ち出した。著作権は浦添市と共同開発者(NTTデータ九州、イーコーポレーションドットジェーピー)に帰属し、販売権は共同開発者に帰属する。「応募企業には開発後のビジネスモデルも含めて提案してもらった」(同市)という。

 浦添市は2002年、基幹業務システムを汎用機からオープン系によるシステムに移行した。移行自体は順調だったが、マルチベンダー環境下で業務システムごとに別個のデータベース乱立するなど管理の手間とコストが増大し、運用・保守コストがシステム費用全体の約9割を占める状態となっていた。また、同市では団塊世代などの退職で2013年までに約300人の職員が退職する見込みであり、こうしたノウハウ消失をシステムで補う必要があると判断、新たな情報システムのあり方の検討を開始した。

 2006年11月から2007年2月にかけて、EA(エンタープライズ・アーキテクチャ)の手法で業務・システムの分析を行ったところ、現行システムや既存パッケージではこうした課題を解決できないという結論に達し、今回、新システムを開発するためのパートナーを募集していた。