米マイクロソフトは2007年4月30日(米国時間)、複数のWebブラウザー上でリッチで対話的なコンテンツを実現するための技術「Silverlight(シルバーライト)」の1.0ベータ版を公開した。同日、米ラスベガスで開催中のWebアプリケーション開発者向けイベント「MIX07」において、Silverlightに関する発表を行った。その中で、「Silverlight Streaming」と呼ぶ新サービスを開始することを表明。マイクロソフトがサーバーを提供し、動画の配信やアプリケーションのホスティングを行う。
Silverlightは、米アドビシステムズの「Flash」対抗ともいえるもの。WindowsやIE(Internet Explorer)以外の環境でも、動きのある画面表示や音声、動画などを多用した、リッチなコンテンツを再生可能にする。Windows Vistaの画面描画機能「WPF」のサブセットで、従来は「WPF/E(Windows Presentation Foundation / Everywhere)」と呼ばれていた。現時点での対応OSはWindows XP/Vista(対応ブラウザーはIEとFirefox)、およびMac OS X(同FirefoxとSafari)で、プラグインをダウンロードしてインストールすれば、Silverlightのコンテンツを視聴可能になる。正式版は、2007年夏に公開される予定だ。
SilverlightのWebサイトでは、既に複数のサンプルが公開されている。例えば、雑誌のページをめくるような感覚が体験できるアプリケーション。ページをマウスでドラッグすると、その動きに合わせて紙がめくられていく。マウスでクリックすることでピアノを演奏できたり、ブラウザー内を使ってビデオライブラリーを実現するものなどもある。
同日公開されたSilverlight Streamingは、Silverlightでコンテンツを開発する上で便利に使えるサービス。既にベータ版が公開されており、現在のところは4GBまでのデータ(ビットレートは700kbpsまで)を無償でアップロード可能。正式版公開時に、無償で利用する代わりにマイクロソフトの広告を表示させるか、それとも有償で利用するかを選べるようになるという。正式な価格は未公表。
またマイクロソフトは、開発言語としてRuby、Pythonなどの動的プログラミング言語に対応することを明らかにした。より多くの開発者を取り込むことで、Silverlightの普及を目指す。