HiRAC設立発表の記者会見のようす
HiRAC設立発表の記者会見のようす
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 日本レコード協会(RIAJ)と日本放送協会(NHK)など6団体は2007年4月27日、1900年代~1950年代に国内で録音されたレコードの音源を電子化し、データベース化する活動を共同展開することを発表した。6団体を発起人として「歴史的音源アーカイブ推進協議会(HiRAC)」を同日付で設立。2011年をめどに、音声データとメタデータを含むデータベースを作成して一般公開することを目指す。

 戦前・戦中の講演、演説、朗読や音楽などを収録したSP盤および金属原盤が対象で、コンテンツ数は約7万と推定している。これらのレコードは、放送局やレコード会社の工場・倉庫などに収められているが、保存状態が悪く再生困難になったり、工場・倉庫の閉鎖やレコード会社の買収などの際に廃棄されたり、録音内容を記したメモが散逸したりというのが現状という。「現在、こうした貴重な音源を将来に残せるかどうかの岐路に立っている。これまでもレコード会社各社が保存に努めてきたが、自力では限界もある。発起人各団体の年会費に加え、文化庁などの支援も得ながら、保存事業に取り組みたい」(RIAJ 会長の佐藤修氏)とする。発起人にはRIAJとNHKのほか、日本音楽著作権協会(JASRAC)、日本芸能実演家団体協議会、日本伝統文化振興財団、映像産業振興機構が名を連ねる。

 2007年度にまず1000前後のコンテンツを電子化し、データベース作成の方法や問題点の洗い出しなどを進める。2008年度以降は電子化作業を本格化させ、併せてデータベース化したコンテンツの利用方法を検討する。最終的に2011年度の一般公開を目指している。なお同協会では作成したデータベースでの営利事業を行わず、非営利ベースでのデータベース公開を検討しているが、詳細は今後詰める予定。